歯にまつわる、意外と知らない話など不定期でお届けする気まぐれコラム
Vol.12
TPPの大筋合意
今年も残り少なくなってきました。
みなさま今年はいい年でしたでしょうか。
今年はTPPの大筋合意の報道がなされました。
合意内容について、農産物や工業製品についてはよくマスコミにも取り上げられますが、医療等のサービスについては、ほとんど情報がありません。
TPPでの医療にかかわる報道では、混合診療にかかわる部分についてはたまに見かけます。
混合診療での問題点は、国に価格を決める権限がないことだと思ってます。
現状保険診療では国が統一価格で比較的安い費用を設定しています。
そのために国民全体では、安い財政負担で良好な医療サービスを実現出来ているのです。
これについては、安い料金で長時間労働を強いられていると不満を持つ医師もいるようです。
混合診療になるとどうでしょうか。
混合診療の自由診療部分については自由に医師が料金を決めることが出来ます。とすると、必然的に国が決める価格より高い料金に設定されるでしょう。
例えば自由診療について歯科でいうと、歯列矯正治療を受けた場合、治療費が100万円を超えることはきっとよくあることなのではないでしょうか。
こんな費用で保険がきく治療にしようとすると、すぐに財政が破たんするとおもいます。
つまり、こういう事情があるから、歯列矯正治療は保険に入らないわけで、とすると、混合診療で国の統制下でない料金が既成事実になってしまうと財政の関係で保険導入できない治療が増えることになるのだと思います。
こんな話が、歯列矯正治療でなくてがん治療などで、出てきてしまうと、なかなか社会的に厳しいのではないでしょうか。
それ以外にも、外国人の医師が日本に来ることもあるのかもしれません。
これは、逆に日本の医師が外国に行くこともあるという事です。
日本で治療するより外国で働いた方が儲かるという事になるとどうでしょう。
保険のせいで安い料金で長時間労働をしていると不満のある医師がいるという事はそういう事も充分おこりうるように思います。とすると、せっかく日本の予算で養成した医師が外国のために使われることになるわけです。僕は国立の大学を卒業しているから特にそう思うのかもしれませんが、日本で育ててもらった技術は日本で暮らす人のために使いたいと思ってます。こういったことについては国民的な議論は全然されていないように思うのですがいかがでしょう。
こういったことはしっかり議論された後に決まって欲しいと感じているのは僕だけでしょうか。
来年はいいニュースがあるといいですね。
来年も、日本というよりは、この地域の皆様のために頑張っていきたいと考えていますので、よろしくお願いします。
当院の年末年始の休診日は12月29日午後から1月3日までを予定してますので、こちらの方もご了承よろしくお願いします。
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かとう歯科 加藤一成
~平成27年12月26日(土) 投稿~
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