歯にまつわる、意外と知らない話など不定期でお届けする気まぐれコラム


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Vol.63

新型コロナウィルスによる死亡の危険因子

中国の武漢で発生した新型コロナウィルスの拡大で、出された緊急事態宣言は解除されました。
それでも、まだまだ油断できないと感じている今日この頃ですが、みなさまも気をつけて生活されていることと思います。

↓当院で行っているコロナウィルスの対策はこちら
安心安全を尽くした診療
新型コロナウイルスに対する対策を強化
新型コロナウィルスによる死亡の危険因子


ところで、日本疫学会のページで、武漢の病院での新型コロナウィルスによる死亡の危険因子についての研究の要約が公開されています。

↓武漢の病院でのコロナウィルスにより死亡の危険因子についてはこちら
https://jeaweb.jp/covid/research/abstract/individual.html?entry_id=536

これによると、コロナウィルスによる死亡と一番関係が深いのが敗血症のきざしとなっています。
敗血症とは、感染によっておこる重篤な臓器障害のことです。
コロナウィルスで死亡するのはお年寄りが多いということはよく知られている事実だと思いますが、年齢要因と比べても圧倒的な差で、死亡に至るような重篤な新型コロナ感染では敗血症のきざしが現れているということです。

敗血症のきざしで連動して起こっているのが、サイトカインストームと呼ばれる状態で、サイトカインの一種のIL-6が深くかかわっていると考えられています。
サイトカインとは主に免疫細胞から放出されるホルモンのような情報伝達物質です。

↓日本医師会の有識者会議のサイトでも紹介されています
https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/topic/1968

歯科においては、歯周病細菌のLPSという内毒素にこのIL-6の産生を誘発し、サイトカインストームを引き起こすということが注目されています。
LPSが敗血症の原因だというような研究もあるようです。

↓詳しくはこちら
https://www.amed.go.jp/news/release_20160509.html

この研究では、大腸菌のLPSリスクを指摘しています。腸炎の人だと大腸菌が体内の免疫に影響を与えたりするのでしょうが、腸炎の人より歯周炎の人の方が圧倒的に多いし、歯周炎の人が多いということはその分歯周病菌が体内の免疫に影響を及ぼすわけで、歯周病菌のLPSの方がリスクが高いのではないかと考えている歯科医師は多いと思います。
これをお読みになったみなさまはいかが感じたでしょうか。

新型コロナに関係なく歯周病はよくないですが、コロナとの関係でも、歯周病菌が繁殖しないようにお手入れをされることをお勧めします。


ブログも毎月更新してますのでよかったら見てみてくださいね。
http://blog.goo.ne.jp/katousika

かとう歯科 加藤一成
~令和2年6月15日(月) 投稿~


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